SHO WATANABE

1974年生まれ。東京都出身。
ペン1本だけで描くペン画、白黒をベースに拡がる独自の世界観を表現する作品をはじめ、シルクスクリーンから油絵などのドローイングを主としたアート性の高い作品を数多く手がける。
また一方で、広告やプロダクツ、空間プロデュース、WEBデザインや執筆活動と幅広い分野でのクリエイティブ活動に定評があり、デジタルとアナログの融合が持ち味のアーティストであり、チャリティやグロメッツサーファーへのサポートなども熱心に活動しています。自身が手掛けるアパレルブランド、Cloveruは16年目を迎えた根強いファンのいるアパレルブランド。

Q&A

まずあなたのバックグラウンドを教えてもらえますか?

なんだろう。「遊びですかね」。根本は海だと思います。
遊びの中で必要なソースを生む環境を常に意識しています。板モノだけはずっと続けていますね。
僕らの時代は今みたいなネット環境はなかったからイケてる先輩のスタイルを盗むことが一番の教科書でした(笑)街でも自然でも遊びの中には格好良い人沢山いますから。
そんな環境にいると自然と音楽からライフスタイルまで虜になる。激変したのはアメリカで仕事してからかな。ホイッティアのファクトリーで今のベースができました。
カルチャーをリアルに痛感するというか、衝撃を受けました。
その頃って全てが最高にイケてたんです。しかも本場だし。その時にアナログからグラフィックのノウハウと言うか本場特有の感覚を学んで、帰国してからデザイン事務所や設計関係の企業にも在籍したりしてデザインと言う仕事にまつわる下積みをして独立しました。

アーティストとして活動し始めたのは何歳ごろですか?またそのきっかけは?

向こうと行き来している頃から仕事的でない着たいモノを着たくなり、「Life style & co.」と言うTシャツを作り始めたのがきっかけかな。
元々古着が好きで、金もないし人とかぶらない野暮ったい感じが向こうっぽいって当時の勝手な解釈で、でもTシャツだけは仲間達がやたら着てる、みたいなのがルーツ(笑)。
結局前の話とリンクするんだけど、今も19歳の時の衝撃から俺の感覚は止まっていて、格好良いなって思う感覚を今でも続けているだけ。
だから今もやってる自分のブランドもこんな時代でも毎度のペースだし、仕事もなんだけどパッションの方が強いのかもしれない。要は仕事上の利幅や聞こえの良いブランディングより、一緒に歳をとれておっさんからキッズまでイカしてて良いと思ってもらえるモノを着れる環境を残して行きたいって言うのが続けている理由かな。良さそうだけど、あまり売ってないブランドが好きなのかも。 作り手の背景が明確に見えるアンダーグランドのブランドって今少ない気がします。

アートは人々に影響をもたらすと思いますか?もしそうであればどんな事だと思いますか?

思います。音楽と同じ力があると信じています。評価や感じ方は各々ですが、その人にフィットしたものであればハッピーが生まれる。日常の中の気に入った絵でその日1日頑張れたり、その作品を見る事で癒しになったりする素敵なモノだと思う。
1人でも多くの人に見てもらって、感じてもらって、その人の好きな1枚になれる様にこれからも描いていきたいと思います。

作品を作る際にいつも心がけていることはありますか?

当たり前だけど、まず自分が納得できるモノを描く事。作品創りは生涯続くものだから常に本気で向き合っているけど100%はない。だから毎回、描き続けられる。お産じゃないけど環境を整えます(笑)。
あとは、描き上がる着地点を頭の中で鮮明にプロセスまで含めてピントが合うまで描きません。だから時間がかかってしまうのだけど、右脳的要素と左脳的要素のバランスがフィットして一気に行く感じかな。

今回坩堝は「日本」をイメージした作品を依頼していますが、どのような作品作りをしましたか?

坩堝自体のブランディングや背景も好きですが、自分らしさも出しつつ、坩堝フリークにこんなの着て欲しいって言う作品を考えました。
特に自分の場合、同じカルチャーでも海や遊びの幅が沢山あるでの他のアーティストにはない坩堝スタイルの一面が表現できれば面白いかなと思いました。

最後に坩堝に参加しようと決めた理由を教えてください。

坩堝は自分でもリアルに愛用しているブランドだし、ブランドに対する価値観とか創ってるザキミヤの想いも垣間みれて、自身とリンクしてるブランドだから参加しました。後はスタイルは異りますが、熱がある多くのアーティスト達と良い関係でブランディングしつつ発信しているので、自身も素直に参加したいと思いました。