HASAMI x 坩堝 「MHAK」インタビュー

Q1:まずあなたのバックグラウンドを教えてもらえますか?
A:デザイナーズ家具、そしてスノーボード、スケートボード、自転車。
Q2:ここ数年MHAK氏の作品が数多くの場所に展示され、またライブペイント等精力的にこなしているようですが、最近の活動状況や今後の予定を教えてください。
本当にありがたい事です。声をかけてくれる皆様や支えてくださる皆様にはいつも感謝の気持ちで一杯です。
個人的な活動は生活空間を意識したプロダクトや作品、壁画の制作が主です。と同時に僕自身が好きな事や好きな物に準じたコラボレーションもさせて貰っています。
今回の『坩堝 x 波佐見焼』もそうですが、地元会津若松の伝統工芸とのコラボ第二弾として”会津塗”を用いた現代の茶器『NODATE x MHAK』や、いつもお世話になっているSAGLiFEとのコラボ。そして、まだ名前を明かせませんが、あるブランドとのコラボレーションが控えていて、地元会津地方の湯野上温泉駅内の壁画を予定しています。
Q3:81BASTARDSとしても活動しているようですがメンバーには誰がいますか?
また、どんな活動をしていますか?
昨年夏に『81BASTARDS』というチームをYoshi47と共に結成し、新しい事に挑戦をしていく前提で、まずはライブペイントを復活しました。
数を重ねる事によって現在はペインターのイノウエジュンSAND NAOKIYoskay Yamamoto、写真家のRio Yamamoto、彫師のOT等、志が同じ仲間も加わってその輪がどんどん大きくなってきました。
それぞれが別々なベクトルを持って本気で活動している仲間達と、新しい事にチャレンジしていくという大きな軸の基に集いチームを組む事が出来ている今なら、各々を高め合う良いきっかけにもなるのではないか。だったら、どんどん面白い事をしかけていかなきゃ勿体ない。そう思って『81BASTARDS』での活動を勢力的に始めました。
ライブペイントでの活動が主だってはいるのですが、5月に大阪で『81BASTARDS』として初めての壁画を描く機会を頂いたんです。
壁画=作品。ライブペイントのエンターテイメント性は必要とされない。作品となれば個々の表現をぶつけ合うのでは無く、チームとして個々に足りない部分を補い合い、複数の要素を一つの作品としてバランス良くディレクションし、しっかりとまとめあげる。その部分を重視させて貰いました。
結果、僕一人では成し得なかったチームとしての作品を残す事が出来て、とても満足のいく反応を得られたんです。
おかげさまで、今後も徐々にですが『81BASTARDS』としてプロジェクトや壁画のお話などを頂く事が出来ていて、来年には東京とLAで開催予定の81BASTARDS展に向けての準備も始めています。
近々では6月頃に再度大阪で壁画の予定がありますので、『81BASTARDS』での新しい表現を楽しみにしていてください。
Q4:今回、HASAMI×RUTSUBOのデザインを担当して頂きましたが、どんなイメージで描きましたか?
マグ=コーヒー=朝=毎日の始まりという風に考えました。『Every day is a new day!』僕の好きな言葉でヘミングウェイの格言を引用しました。 毎朝コーヒーを飲むという当たり前に行われるほんの数分の日常行為こそが生きてるという事の証で、その日常から始まる毎日が新しく素晴らしいという意味を込めています。
灰皿に関しては坩堝ロゴに僕のもこもこを絡ませてみたかったのでそれをそのままやらせてもらいました。アートワークの範囲が狭かったのでシンプルにワンポイントのイメージで。
Q5:MHAK氏は「生活空間との共存」をテーマに活動していると聞きましたが実際にどのように作品つくりをしていますか?
うーーーーん。僕が考えるインテリアとしての理想を常に追いかけながらという事ですかね。
基本的にはアメリカの生活スタイルが大好きです。絵を描く事になったきっかけでもあるしその部分は揺らがないかもしれない。でも、ミラノから戻った時なんかは向こうで格好良いと思った空間や家具にはどういう作品があうのかを数ヶ月模索し続けたり、ブエノスアイレスで体験した空間との調和を探ったり。そうやって色々な国の文化に触れた後の試行錯誤が凄く楽しいんですよね。自分の世界観が広がって行くのを実感出来るし、まさに『百聞は一見にしかず』。世界中にはまだまだ僕が見ていない、知らない場所が沢山あって、その中に今の理想をぶち壊すような空間との出会いがあるかもしれない。だから、もっともっと生活文化の違う国や地域を訪れて体験してみたい。今が全てではなく今後も必ず変化し続ける。だから面白いと思うんですよ。
いろんな物に影響されながら変化し続ける自分の理想空間を追いかける。そこに如何に溶け込ませて、彩るかという意識を常に持って今は作品を作っています。
Q6:HASAMIのMHAKが感じる魅了とは何ですか?
もともとは高価な物であった磁器を、庶民に向けて簡素化し大量に作った事で広く普及させ、庶民の食文化の向上につなげたという部分。日本における食文化の歴史の中でとても重要な役割を担っていたのではないかなと思います。
それと、伝統工芸という日本が誇る職人文化を現代の人達に向けてリモデルし、送り出す活動を積極的に行っている事。日本人として絶対に無くしてはならない文化だと強く思っています。

Q7:RUTSUBOのMHAKの感じる魅了とは何ですか?
まずアートに理解があり、ジャンルを問わず自分の目線でアーティストをピックアップしていますよね。そして敬意を持ってアーティストを全面に押し出してくれて、洋服、プロダクト問わずアーティストの要望に出来る限り応えて商品を作ってくれる。そんなブランドなかなか無いですよ。笑
Q8:今回のデザインの見どころを教えてください。
Q4の答えをふまえて、マグは言葉のままメッセージを感じて頂ければと思います。灰皿の方は、半分に切ったもこもこの形態を商品で発表するのは初という事と、坩堝ロゴとの絡み具合も個人的に気に入ってるのでそういった部分を見て頂ければと思います。
Q9:最後に、今後チャレンジしたいことは何かありますか?
まずは建物の外装内装を全て自分の理想で造ってみたいですね。
ありがとうございました。
MHAK
MHAK
1981年會津若松生まれ。ペインター。
1950sデザイナーズ家具や内装に多大な影響を受けた事から絵画をインテリアの一部として捉え”生活空間との共存”をテーマに内装壁画をメインとした制作活動を行う。空間と絵画を共存させる事は絵画そのものを雰囲気として認識させる必要性があると考え、抽象表現にこだわったスタイルを追求。曲線で構築し反復する独特なスタイルを造り上げ、個人邸やホテルなど数々の内装壁画を手掛ける一方、自身初の個展をアメリカ/ポートランドで開催。自身初の個展を海外で開催した事をきっかけに国外も視野に入れた活動を精力的に開始し、アメリカ(ニューヨーク、ロサンゼルス、ポートランド)、アルゼンチン(ブエノスアイレス)、オーストラリア(メルボルン、シドニー)、イタリア(ミラノ)で作品を発表。 また、Levi’sやNIKEなどの企業や、国内外のストリートブランドとのコラボレーションも行うなど、その活動は多岐に渡り、独特な世界観を拡げ続けている。

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